読書感想 セシルのもくろみ
著 唯川 恵
そういやドラマでやってたなーと思って購入。
アラフォーの平凡な専業主婦をしている主人公が友達と冷やかし半分で読者モデルに応募したら友人が落ちて自分が受かってしまった。主人公は華々しいモデル業界のリアルを知ることになる……
といったあらすじ。
感想
主人公ちょっと鈍感過ぎない?周りの友人がみんなアレなのに女って怖い……ってずっと言い続けてる主人公に違和感を抱いてしまった。
主人公もいい子ちゃんで優等生なだけにあまり共感し辛かった。
一番マトモな性格をしてるとは思うけど。
若いうちは女は男の目を意識した格好をするけれど歳を経ると女の視線を意識した格好をするっていうくだりは確かに、と思わせられた。ヒルナンデスとかは同性を意識したコーデばかり特集してるもんなあ。
主婦になったら異性を惹く必要もなくなるから同性重視になるのは頷ける。
この小説のモデル業界は基本的に全員仲が悪い。基本的に信頼できる奴はオネエ以外いない。
3人組で仲良く話している→1人抜けて帰る→2人が帰った人間の悪口
このパターン2回も出てきた
小中学生にありがちだけど大人でもやるものなのか……?悪口しか言わない人格の女しか存在しないのか……?
モデル業界にいたことがないから真実は分からない。
あと主人公が普通普通って言われ過ぎて想像が上手くつかない点も気になった。
ふつうのおばちゃん、とかモデルは抽選で決まるの?って言われていたりして主人公が努力で綺麗になった描写はあるけれど周囲が褒める描写が無くて近所にいる様な小奇麗なおばさん程度の想像しか出来なかった。
平凡な顔だけど身長が高いとか、鼻が低いが笑うと愛嬌があるとかもう少し描写があってもいいんじゃないかなあ。
普通のおばちゃんのイメージしかないのに彼女が
「私はこれでもプロのモデルです!あなたには負けません!」って言われてもあまりピンとこなかった。
あと散々プロモデルになってからサポートしてくれた人が別の雑誌に行くのを裏切り行為だと考えてたりしててもう少し感謝できんのかと思った。
終盤、不倫をあっさりする主人公においおい……って思うし簡単に手を出す編集長にもお前なぁ……って思ったり。
酒飲んでるシーンから急に裸になってたから二度見した。不倫する女ってもっと葛藤するもんだと思ってた。
あの人に抱かれたあの日から私は暗いパンドラの箱を抱えた……って自分に酔ってるようにしか受け取れなかった。格好良く言うな。
基本的に登場人物は感情も単純に出来ている印象を抱いてしまった。
文章があっさりして読みやすい分描写が薄くてきらびやかなイメージがいまいち湧かなかった。
ドラマの方はファッションとか出てきたり女優さんがやる分分かりやすいかもしれない。